子宮筋腫 - 婦人科 よくある質問

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腹腔鏡下手術 体験者の声

Q1 子宮筋腫とは ?

性成熟期の子宮は鶏卵程度の大きさで平滑筋という筋肉でできています。その内部に子宮腔がありこの中で胎児が発育します。お産の時には子宮の筋肉が収縮して中の胎児を押し出します。
子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍が子宮筋腫です。筋腫は腫瘍ですから次第に大きくなりますが、その成長は卵巣から分泌される女性ホルモンに依存しています。そのため閉経すると子宮筋腫の多くは縮小します。

Q2 子宮筋腫の症状は ?

無症状のことも多く、検診でしばしば発見されます。「生理痛、生理の量が多い、血の塊が混じる」などがよくある症状です。出血が多いだけでも仕事や日常生活には大きな支障になりますが、そのために貧血状態に陥ると、顔色がわるくなり、立ちくらみ、動悸、倦怠感を伴うようになります。
筋腫は大きくなると膀胱や骨盤内の臓器を圧迫することがあるので、「尿が近い、下腹部が重苦しい、腰や下肢が痛みしびれる」などの症状を引き起こすがあります。

Q3 超音波検査でたまたま筋腫が見つかったけれど、どうすればいいですか ?

貧血を治療するために鉄剤が投与されます。薬剤を使って出血量を減らすこともあります。自覚症状がなければ大きくても治療の必要はありません。ただし、子宮筋腫と思っていても子宮肉腫という悪性腫瘍であったり、筋腫に加えて新しく子宮肉腫が発生してきたりする可能性もあるので経過を観察する必要はあるでしょう。

Q4 子宮肉腫とは癌ですか ? 子宮筋腫が癌になるのでしょうか ?

転移して全身を蝕み命取りになることがあるできものを悪性腫瘍あるいは「がん」といいます。「がん」のうち皮膚や臓器の表面から発生してくるものを癌といい、表面よりなかの組織から発生してくる「がん」を肉腫といいます。
子宮にできる癌の代表は子宮頸癌と子宮体癌(内膜癌)です。これらの子宮癌よりも頻度ははるかに低いのですが「子宮肉腫」という悪性腫瘍があります。子宮肉腫は筋腫とよく似ていることも多いのですが、急激に増殖し他の臓器へ転移します。抗癌剤や放射線が効かないので子宮癌よりも恐ろしい病気です。

Q5 筋腫と肉腫はどのようにして見分けるのですか ?

症状や超音波画像を含む通常の婦人科的診察では両者を区別できません。子宮肉腫の診断は腫瘍の組織を専門医が顕微鏡で観察することで確定します。確実には手術しないと診断できないので、以前は筋腫が見つかると手術がすすめられてきました。しかし、現在ではMRI で子宮肉腫を疑うことができます。特にDynamic study という造影法を用いれば、「肉腫と肉腫が疑わしい筋腫」を「ふつうの筋腫」から区別することが可能です。MRI によって絞り込まれた肉腫または疑わしい筋腫については、腟から針を差し込んで小組織を採取しさらに診断を行う施設もあります。

Q6 なぜ筋腫ができるのですか ? 予防法はありますか ?

子宮筋腫が発生する原因は十分解明されていません。成長に女性ホルモンが関係しているという点は乳癌と同じです。エストロゲン、プロゲステロン(黄体ホルモン)ともに筋腫の発育に関与しています。筋腫は原則的に閉経までは大きくなり数が増えていきます。治療を必要とする症状を伴うようになるかどうかは個人差が大きく、長期間ほとんど大きさが一定の場合もあります。有効な予防法はありません。

Q7 これ以上進行させないようにする方法はありますか? 食事や生活で気をつけることは?

筋腫の発育は女性ホルモンに依存しています。閉経すれば卵巣からのホルモンがなくなりますから、筋腫の多くは萎縮します。そのため、閉経直前には治療として女性ホルモンを低下させる薬が用いられることがあります。

Q8 サプリメントは筋腫に効きますか ?

筋腫に効くとうたうサプリメントはありますが、それらに過剰な期待をもつことはサプリメントに対する美しい誤解でしかありません。海外のサプリメントをインターネットで個人輸入できますが、かえって健康を害している場合もあります。気休めになるだけならまだましなのですが、、、、、、。賢明な女性はあやしいものに手をださないでしょう。

Q9 筋腫があっても妊娠できるでしょうか ?

筋腫が原因と考えられる症状がある人では、妊娠しにくいことや流産しやすいことがあります。しかし、一般的には筋腫が小さく無症状であるなら妊娠、出産が可能です。最近は初産年齢が30歳近くまであがっていますので、筋腫のある妊婦さんは珍しくありません。経腟超音波検査が普及していなかった時代には小さな筋腫は発見できませんでした。しかし、現在では妊娠の初期に必ず経腟超音波検査を行いますので、筋腫の発見率が高くなっています。

Q10 妊娠中に筋腫が見つかりましたが心配ないですか ?

妊娠中には筋腫は必ず大きくなります。赤ちゃんを育てるために子宮は大きくなっていきますが、筋腫も女性ホルモンに反応して大きくなります。筋腫は妊娠中期に痛むことがしばしばあります。
切迫流産や切迫早産と誤解されることが多いのですが、臨床統計的には流産や早産に直結するものではありません。しかし、筋腫の位置や大きさによっては逆子などの原因となることがあります。帝王切開が必要になるかどうかは妊娠末期の筋腫の位置と大きさにも依存します。経腟分娩が可能かどうかなどは妊娠経過をみて判断されることになります。

Q11 筋腫の治療にはどのようなものがありますか ?

無症状なら治療は不要ですが、症状を取り除く希望があれば治療を行います。筋腫の大きさ、数、位置などに応じて適する治療法を選択する必要があります。薬では、鎮痛剤、止血剤、人工的閉経状態にするGnRH アゴニスト(スプレキュア、リュープリンなど)、漢方薬などが用いられます。手術では、子宮全摘術(開腹、腹腔鏡下、腟式)、出産希望があれば筋腫核出術(開腹、腹腔鏡下子宮鏡下)が行われます。腟式と子宮鏡ではまったくおなかを切ることはありません。その他、子宮動脈塞栓術(UAE)、集束超音波手術(FUS)などの新しい切らない治療があります。筋腫に伴う過多月経を治療するだけならマイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)を選択することもできます。婦人科治療・手術比較一覧

Q12 手術で子宮を失うとどうなりますか ?

子宮を取ると妊娠・出産はできなくなります。月経出血はなくなりますが、卵巣の寿命がつきたため女性ホルモンの分泌が止まり、子宮内膜が萎縮して生理が止まった閉経とは異なります。現在の筋腫の手術では卵巣は残しますので女性ホルモンが低下することはありません。性周期に基づく女性ホルモンの周期的な変動は続いています。したがって、更年期障害になることもありません。性生活で問題が発生することも少ないようです。子宮がなくなると子宮癌になる心配はなくなります。

Q13 自分の筋腫に最適な治療を選ぶには ?

筋腫にはいくつかの治療方法があります。「入院や休業が必要な日数、費用、妊娠の希望、再発しない確実な治療を希望する、閉経までの長期の服薬や通院は受容れるが手術はしたくない」、など個々の患者さんの事情や希望を尊重して治療法は決められるべきです。筋腫は確かに腫瘍ですが、閉経すれば萎縮するという性格からは閉経により解消する一過性の症状と考えることもできます。年令と症状に応じて患者さんの利益が最大になるように治療上の助言をする姿勢が医療者に求められるというわけです。また、いろいろな選択肢の中から、治療の内容と意味を理 解して納得して選ぶことで治療後の患者さんの満足度は高くなることでしょう。