※この記事は治療に関する一般的な知識です。この治療法に関して、さらに詳しい情報はかかりつけ医にお尋ねください。
平成24年4月1日より、婦人科の先進医療として注目されていた「マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)」が健康保険適応となり、多くの患者がこの治療を利用しやすくなりました。
MEAは、子宮内膜をマイクロ波の熱エネルギーで焼灼し、過多月経などの症状を緩和する低侵襲の治療法です。
この保険適応によって、従来は自由診療で高額だった治療費が抑えられ、より多くの患者にとって経済的な負担が軽減されることになりました。
MEAとは?
MEAは、過多月経の治療法として利用される方法で、子宮内膜を破壊することで月経量を減らします。
手術は比較的短時間で済み、身体への負担が少なく、日帰りまたは短期間の入院で対応可能です。
また、子宮を摘出する必要がないため、子宮を温存したい患者にとって魅力的な選択肢となります。
保険適応によるメリット
保険適応により、治療費が大幅に軽減され、患者の経済的負担が減りました。これにより、過多月経に悩む多くの女性が、より気軽に治療を受けることができるようになりました。
また、子宮全摘術などの侵襲的な治療に代わる選択肢として、患者にとって負担の少ない治療法が普及するきっかけとなりました。
適応範囲の拡大
MEAが保険適応されたことにより、これまで治療をためらっていた患者や、費用面で自由診療を選べなかった患者が、適切なタイミングで治療を受けられる環境が整いました。
特に、更年期や妊娠を望まない年齢層の女性にとって、症状緩和の有力な治療法として選択肢が広がっています。
費用について
マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)は、平成24年4月1日から健康保険の適応となりました。
これにより、患者の自己負担額は、保険診療であるため3割負担で治療を受けることが可能になりました。
具体的な費用は、治療を行う医療機関や診療内容によりますが、以下が一般的な目安です。
- 保険適用時の自己負担額(3割負担の場合)
- 約5〜7万円程度
※診察料や検査費用、入院費用が含まれる場合、さらに若干の変動があります。
これにより、従来の自由診療では20〜30万円以上かかっていた治療費が大幅に軽減され、より多くの患者が利用しやすくなりました。
適応について
MEAは、特に以下のような症状や疾患を持つ患者に対して適応されることが一般的です。
- 過多月経
月経量が多すぎて日常生活に支障をきたしている場合。原因が子宮筋腫や子宮腺筋症の場合もあります。 - 子宮腺筋症
子宮内膜組織が子宮筋層に入り込み、月経量が増加したり月経痛がひどくなる場合。 - 子宮筋腫(特定条件下)
子宮筋腫が原因で過多月経が生じている場合。筋腫の位置や大きさにより適応されるかどうかが決まります。 - 子宮を摘出せず治療したい場合
子宮全摘手術を回避したい患者に適しています。特に妊娠を望まない場合に推奨されます。
MEAはすべての患者に適しているわけではなく、以下のような場合には適応が難しいことがあります。
- 子宮の大きさが基準を超える場合
- 妊娠を希望している場合
- 悪性腫瘍(子宮体がんや頸がん)が疑われる場合
- 他の治療法がより適切と判断される場合
MEAは、過多月経や子宮腺筋症の治療において低侵襲で効果的な治療法です。
保険適用により費用面での負担が軽減されたことで、従来よりも多くの患者がこの治療を選択できるようになりました。
ただし、適応条件や個々の健康状態により治療法が異なるため、医師と相談の上で最適な選択をすることが重要です。